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用語解説 ポンド増減・リム・プランジャー調整 矢の距離と点数の関係性  スパインとパラドックス  ポンドと初速の関係性   弦サイト 上達の要素とスタンスについて 
アーチェリーの世界では難解な理論があります。特にこのコーナーである「スパイン=背骨・脊柱」と「パラドックス=逆説・矛盾」というのがあります。これを理解するのは難しいですので初心者は「こんな理屈があるのか?」とか「スパイン値は店任せ」程度に考える方が良いかも知れません。
スパインは「矢の硬さを表す単位」で大きければ柔らかく(おおよそ700番以上=40ポンド未満)、小さければ硬い(おおよそ700番未満=40ポンド以上)シャフトになります。これは調整(チューニング)早見表にもありますが、29インチ長のシャフトを28インチ間で約880gのオモリを中央でぶら下げた時の距離から公式を当てはめて算出します。同じ内径(IDと略して表現)でもシャフトの壁を分厚くしてやれば硬くなります。アーチャーのポンド数と矢尺(シャフトの先端〜ノック溝までの長さ)により適正なスパインが決定されます。また中級者以上になればクリッカーという器具を使い一定の引き尺でカチッと鳴りリリースします。1インチ(2.54cm)程度はクリッカーの位置で矢尺は変化させる事が可能ですが、アーチャーは中級以上になるとマイ矢尺という長さとポンド数が決まってきて、その結果スパイン値も決まってきます。初心者のレンタル矢では、長めのアルミ矢ですし強度も25ポンド前後とほぼ決まっているのでそのまま使うだけです。

スパイン値を決める理由は下記アーチャーズパラドックスという現象があり、それはリリース直後から矢は曲がりクネクネと蛇行しながら飛んでいき、その結果スパイン値が適正でないと真っ直ぐには飛んでくれないのです。

自身の矢のスパインを知るにはある程度の練習を積み、アンカーにフルードローしたときの位置を決定させ、この時のノックの溝からプランジャーの的側1インチの距離までがシャフトのカット面になるように長さをインチ(1インチ=2.54cm)で測り(クリッカーの位置で少しの増減も可)、シャフトの長さ(シャフトの先端カット面〜ノック溝までの距離)と実質ポンド数からメーカーが作成している換算表で大まかには知ることが可能です。しかしあくまでも目安であって平均値という事です。
ですのでベアシャフトチューニング(30m×80cm的)で、羽根つきの完成矢がほぼ10点に刺さるのに対しベアシャフト矢(羽根のみ無い矢)がどの位置に刺さるかでその矢の適性がわかるというチューニング調整法です。
ベアシャフト矢が右に行けば柔らかい・左に行けば硬い矢と判断出来ます。そして的の青ライン(6〜5点)で収まれば1ランク違い、的外の0点なら2ランク違うという事がわかります。1ランクはスパイン数で言うとおおよそ50で2ランクなら100になります。
つまりスパイン1000のベアシャフト矢が右へ的外なら2ランク柔らかいということになるので、スパイン900が適していることになり、右へ青点の所なら1ランク柔らかいので950が適していることになります。逆の左へ的外なら2ランク硬いので1100のスパインが適しており、青点の左へ刺さるなら1ランク硬いので1050のスパインが適しているという事になります。あとはポイントのgr数を減らせば少し硬くなり、重くすれば少し柔らかくなります。
上記方法もあくまでも目安で参考程度に考えて自己責任でスパイン数は決定してください。
パラドックスはリカーブボウでアーチャーが矢を放つ時に必ず起こる矢の蛇行現象がひとつの考え方です。ですので「アーチャーズパラドックス」とも言われます。この現象が起きる理屈はリカーブボウで、タブから滑らせた弦は人の指では器械とは違うので、必ず少しの時間差を追って斜め(右利きアーチャーなら的に向かって左側)に弦が離れていきます。リリースの瞬間矢の先端はレストの上にありますが、矢のノック側は左方向に飛び出るので、矢全体は右斜めに方向に発射されます。

器具で両方から一瞬にリリースするコンパウンドボウはそういう現象は起こらないです(上下のパラドックスは少しあるみたいだが)。

スパイン値が適正かどうかはベアシャフト(羽根が付いていない完成矢)と羽根が付いている完成矢を18mまたは30m程度の距離から打ち比べることで大まかに調べることが可能ですが、18m200点に満たないアーチャーは射ってみても見分けは無理です。スパイン値が適正でないのか腕前が悪いのかの区別が付かないからです。

経験がありますが、知り合いの全く矢尺が同じ長さのスパインがかなり柔らかい羽根の付いた完成矢を、50mの距離でわざと射ってみました。結果目視でも明らかにわかりましたが、ノックの後端を左右に激しく振りながら的に刺さりました。当然中央からは大きく外れていました。羽根があったので畳からは外れなかったですが、ベアシャフトなら大きく左へ畳からも外れていたと思います。

もし矢を自分で作るのでしたら、長めにカットしてベアシャフトで試しながら柔らければ(右に刺さる)少しずつ短くカットして試すという事が必要です。アトムは矢を作る時に必ずベアシャフトで試し射ちでチューニングしながら決めています。ですのでシャフトも一気に12本買うという事はしないです。とはいえポンドも矢尺も変化してきているのでさらに買い換えを余儀なくされています(笑)。

アーチェリーのパラドックスについて調べると(ウイキペディアから抜粋)
1.的の中心を射抜くために、矢が的の中心ではなくわずかに側面に向けられなくてはならないという事実によりつけられた(だから「直感的には正しく思えるが実は間違っているもの」という。

2.アーチェリーにおいてこの言葉が言われ始めた当初は、概説で記述したように非センターショットの弓において標的と矢の方向がずれることによりパラドックスと表現された。つまり、矢が標的の方向を向いていれば直感的にはそちらに飛びそうだが、実は矢が飛ぶ方向はずれるということである。

3.センターショットの弓において、完全に真直ぐに矢が射出されると、困った事に矢羽が弓に接触し進路が狂う事になる。つまり、一定の矢のたわみ・復元という過程により、弓と矢羽の接触を避ける必要がある。このこともアーチャーのパラドックスと言われる。ただし、狭義のパラドックスではなく、広義のパラドックスのうち、ジレンマと言うべき内容である。

4.アーチャーのパラドックスを解消するため、プランジャーが発明された。(プランジャーボタン、クッションプランジャー、プレッシャーボタン、あるいはその発明者、ヴィッグ・バーガーにちなみ、バーガーボタンとも言われる)
弓の強さと矢の長さで適正スパイン値は決まってきますが、適正スパイン値よりも違う場合、

1.柔らかい(適正値よりスパイン値が大きい)矢は大きく蛇行しながら的の右方向に刺さる
2.適正な矢は適度に蛇行しながら的のほぼ中央に刺さる
3.硬い矢(適正値よりスパイン値が小さい)は小さく蛇行しながら的の左方向に刺さる

という方式が成り立ちます。また蛇行は徐々に収まりながら長距離では的に刺さりますが、短距離では蛇行具合で的に対する角度の刺さり方が変化し、的に対し直角ではなくその時々の状況に応じて、斜めになり矢の後端(ノック側)は左右バラバラに刺さります。

また矢は適性が良いですが、蛇行しない方がよりエネルギー伝達としては効率が良くなるので、柔らかめよりかは硬めの方が良いです。もしスパイン値に迷ったら硬めの方が良いかも知れません。わからない人はアマゾンやTEMUで適当に買うのではなく相談出来る専門店で購入した方が良いです。
 
 
矢の材質はアルミとカーボンの複合矢(A/C)とオールカーボン矢とアルミ矢の三種類ありますが、上記は複合矢とオールカーボン矢の場合です。アルミ矢は下記イーストン社の適合表の下部に表示されています。
 イーストン社スパイン適合表(PDFファイル)←クリック